約1年ぶりの原書会でした!今回は私含め7名でした。
早速みなさんにご紹介いただいた作品を簡単ですがご紹介します。

★ぺりおさん(中国語で本を読むよ!) 
《地下三尺有请》と《步步惊心》
IMG_3448

《地下三尺有请》は1篇20ページほどの短編ホラー小説集です。
ホラー大好きのぺりおさんならではの、ホラー専門用語を集めた自作単語集も見せていただきました!

《步步惊心》は宮廷ドラマで、ドラマと並行して読まれたそうです。
宮廷ドラマというと難しそうなイメージがありますが、この作品はもともとネット小説で、読みやすいとのことでした。清朝の時代の皇子たちの争いと恋愛をからめたもののようです。ドラマと小説を並行して読む方法、私もやってみたいと思いました。

★takeikoさん
《一个人泡澡》と《150cm LIFE》
IMG_3449
《一个人泡澡》は色々な入浴法を漫画で紹介したもの、《150cm LIFE》は身長150cmの人の苦労と笑いを同じく漫画にしたものです。興味深かったのは、「ガチャガチャ」とか「パタパタ」とか「ぶるぶる」などの表現まで丁寧に翻訳されていることでした。日常でよく使うのになかなか言えない擬声語を身に着けるにも良さそうな本でした。

takeikoさんは今回の原書会のために2冊の漫画を読んできてくれました。本格的な本はまだというtakeikoさん、初めての1冊にお勧めな本をみなさんに質問されていました。初めて読む原書には是非これ!というものがありましたら、コメント欄に情報をお願いします。

★小雨さん
《麦子》
IMG_3451
《麦子》を書いた刘庆邦は農村出身の作家で、炭鉱で働いた体験をもとに、小説のなかでも農村、炭鉱について書いているようです。農村の悲惨さが伝わる、シーンと静かな気持ちなる作品で、読みやすい文体とのことでした。

IMG_3450
刘庆邦はこちらのシリーズのテキストに掲載されている短編集で知ったそうです。このテキストは、有名な文学作品を味を損なわずにリライトし、読みやすい短編にしたものが掲載されているようです。全ての文章にピンインつき、音声つきで、とても良さそうなテキストですね。シリーズ1~3まで見せていただきました。

《爱是一种病》
IMG_3452
《爱是一种病》はアメリカの小説の翻訳版。3部作の第1部です。愛が禁止される恐怖政治を描いた近未来小説で、17歳になると愛を感じさせなくするために、すべての人が脳手術を受けなければならないようです。主人公の母は、何度手術をしても夫への想いを忘れられず弾圧を受け、その娘は17歳になり手術を受けられる日が近づくのを安堵していたものの、手術前に一人の青年を愛してしまう・・・というストーリーだそうです。翻訳版は読みやすいけれど、やはり風習のわかる中国語原書が読みたい、とおっしゃっていました。

★弥太郎さん  (中国語と海外ドラマとプレミアの日記) 
《兄弟》
IMG_3453
兄弟というタイトルから助け合うストーリーかと思いきや、下品なお話満載、笑いが止まらなかった作品とのことでした。特に冒頭の、主人公である弟が女子トイレを覗く描写が非常に細部にわたっているとか。時代背景は文革から改革開放までで、悲惨な状況の中、弟のやんちゃぶりが暴走するさまに救われたとおっしゃっていました。これまでに読んだ本の中で最も厚い本!に納得する重量感たっぷりの本でした。

《家》
現在読んでいらっしゃる《家》もご紹介いただきました。こちらも兄弟が主人公ですが、冒頭に登場人物が20名も出てくるそうです(!)。でもこれをクリアすれば、読みやすく、とてもきれいな文章とのことです。

★ねずみのチュー太郎さん (ねずみのチュー太郎のブログ)
《中国留守儿童日记》
IMG_3455

小学生が描いた日記を本にしたもの。両親に何年も会っていな子供たち、半日かけて生活に欠かせない水をくみいく子供たち、日本と大きく異なる中国の事情を垣間見ることができる本ですが、ほかの参加者さんもおっしゃっていたように、子を持つ身としては、読んで耐えられるか自信を持てない本でもあります。

《天行者》
IMG_3454

こちらは小学校の先生について書いた小説で、農村の現状がわかる作品とのことでした。

《傅雷家书》
IMG_3456

傅雷夫妻が子供に対して書いた手紙を集めて本にしたもので、中国では子を持つ親必読の書(!)のようです。中身を見ると、「亲爱的孩子」から始まる手紙が目に入ってきます。手紙を書いた時期は1950年代のようで、時代は違いますが、親として読んでみたい1冊です。

その他、話題に多く上がったのがラジオレベルアップ中国語で取り上げられていた《三体》でした。SFもので、ぺりおさん、小雨さん曰く、「読後、地に足がつかない」とのことです。全三部で、第二部が一番!のようです。中国語学習者で集まると、読んでみたい本が次々に見つかりますね。《三体》もすご~く読みたくなりました。原書をまだ読まれたことがないというこまっちゃんさんも、みなさんのご紹介する本を熱心にメモされていました。

私は《花街书屋》と《幸福了吗?》を紹介しました。
IMG_3458

《花街书屋》はマンゴーツリーハウスの仮名がついている台湾の作品です。3人の少年が、自分たちの住む街にやってきた見世物として訓練を受けるオラウータンに同情し、オラウータン救出を企てるストーリーです。物語では、成人し、2歳の女の子の父となった主人公の現在を起点に、オラウータン救出に一緒に奮闘した友人が突然自殺した理由を見つけるべく、少年時代から現在までの記憶を掘り起こしていきます。曖昧さを残しながら、鮮明な場面を想像させるエンディングに物語がぎゅっと締まる印象を受けました。

《幸福了吗?》はCCTVの有名アナウンサー白岩松の本です。9.11の際にこの前代未聞の大事件をCCTVが生放送できなかったこと、その体制が整っていなかったことを教訓に、CCTVが生放送のメインニュースキャスターに白岩松を起用し、その後のSARS、イラク戦争など大事件の生放送を行っていく舞台裏が書かれています。その他、真面目でインテリなイメージとは裏腹に、かなりのサッカー好きな一面、また、日本、台湾、米国を取材した際の様子もつづられています。小説ではないですが、さくさく読めて、楽しめる1冊でした。

参加された方々から、原書、オーディオブック、素敵なプレゼントまでいただきました。
ありがとうございます!
IMG_3459

私の理解力に限りがあるばかりに、ご紹介いただいたのに情報がすっぽり抜けている箇所も多々あるかと思います(汗)
リピート参加してくださった方、初めて参加してくださった方、みなさんお忙しい中、ご参加いただきまして本当にありがとうございました。
しばらくは不定期になりますが、今後も開催してまいります。