活きた中国語を身に着けるために、中国語のドラマをもっと活用できたらいいのに、と思いつつ、楽しみながら継続できる方法を見つけられないでいました。

ドラマで勉強しよう!と思う度に、第一話から最終話までドラマ丸ごと全てを吸収しようとして毎回挫折していました。ところが、ドラマを活用して勉強するのに、作品全てを消化しようと思わなくてよいのだとこの本が教えてくれました。英語について書かれた本ですが、他言語にも応用できると思います。


以下、私にとって特に参考になった2点について書きます。
太字部分は本の引用です。

【その1】 精聴と多聴を使い分ける

まずそれぞれの定義について、本によると以下の通りです。
精聴=ある場面を決め、そのセリフをできるだけ正確に聞き取る練習
多聴=洋画ビデオで言えば、映画のストーリーを大づかみに理解すること

"初心者が勘違いしやすい一つに、選んだビデオを丸ごと1本、始めから終わりまで「精聴」の教材にしてしまうことです。せっかくビデオを買ったのだからどうしても丸ごとやらないと気が済まない、あるいはお金を無駄にしたような気がするという人もいるかもしれませんが、それはかえって時間の無駄になりかねません。初心者のうちは丸ごと1本の作品を教材とするよりも、できるだけたくさんの作品で、興味をひかれた場面、これなら使えそうな状況英語だぞ、と思った場面をどんどん聞いてヒアリングしたほうが、ずっと効果は上がります"

使用する映画の選び方として、自分の日常生活を基準に、実際に使えそうな状況のものから学ぶことを強調されています。

"「このセリフ、あの表現はこんな場面で使えそうだぞ」と、使えそうな日常の状況を想定しながら洋画ビデオの英語を聞き、覚えることは、動機がはっきりしているだけに英語のマスター速度は飛躍的に向上するものなのです。"

また、多聴の目的が3つ紹介されています。
1.ナチュラルスピードのリズムに無意識に慣れ親しむこと
2.自分の知っている単語・表現がどの程度あって、どの程度のレベルの英語なのかと考えながら、漠然とした気持ちで聴くこと
3.「精聴」のシーンを選定するための予備段階ととらえる


【その2】 どんなに短時間でも、毎日継続する。ヒアリングとリピーティング練習を行う。

"1回のヒアリングに多くの時間をかけるよりも、1日に何度か短い時間でも回数を重ねたほうが効果は上がります。(中略)毎日15分間の聞き取りをやることです。(中略)自分の声でその音を出す練習を徹底的にやってください。その英語を映画の俳優の話すリズム、スピード、感情で何度も練習し、その俳優をそっくりそのまま真似ることができるようにするのです。"

毎日最低15分間のヒアリング練習とその後のリピーティングを練習する、とありますが、理想としては、3か月間、毎日30分のヒアリング、40分のリピーティング練習を続けること、とあります。



上記の2点を実践するうえで、挫折しないためのアドバイスとして、精聴と多聴を使い分けるコツについて書かれています。

"ただし、自分の覚えたい場面を2~3箇所選んで聞くようにし、残りの部分は映像を楽しんだりあるいは英語のリズム感を養うための多聴練習といった気楽な気持ちでやることが肝心です。
楽しみながら英語を覚え、話せるようになる洋画ビデオを単に教材とするだけではあまりにもったいないというものです。語学学習は継続こそ力なりです。途中で息切れがしないようなゆとりのある練習を心掛けるようにしてください。"



暖かいアドバイスです。この本のおかげで、今後はドラマを丸ごと消化しようと焦るのではなく、ドラマを使って楽しく勉強できそうです。岩崎先生、ありがとうございます!