オンライン中国語原書会9月は私が主催させていただきます☆

天天さん主催のオンライン中国語原書会をまだご存知ない方はこちらからどうぞ!

9月やります!と言ってから、何を課題本にしようか随分と迷いました。
私は小説を読む際に、人よりも感情移入しやすいようで、私が感じたこと、例えば「すごく良かった!」「号泣した」といった感想も、他の方が読んだ場合、「そんなことなかった」となってしまったらなんだか申し訳ないな、、、というのが長い間迷っていた理由でした。

散々迷った結果、第3回のテーマはこれにしました!

严歌苓の作品を読んでみる。

期間:2016年9月中
お題:自由な感想。(作品によって私が聞いてみたい感想は記事の後半をご覧ください)。


严歌苓の作品は意識したわけではないのですが、気が付いたらわりと読んでいました。
作品によって難しいと感じることもありますが、「外れた」と感じたことはなかったからだと思います。

飽きることなく彼女の作品を楽しめているのは、
女性主人公(男性の場合もあり)の芯が強いこと。愛情であれ、動乱の時代であれ、理不尽な環境であれ、描かれる女性が"強い"という印象があります。(作品によってそうでない場合もありました)。

オンラインレッスンの先生に、「严歌苓が好き!」と言った時、彼女の作品に出てくる主人公にどんな共通点があると思う?と聞かれて、すぐ出てきた答えがこれでした。

また、同じ作家が書く作品は、ストーリー展開に似た印象を感じることがしばしばありますが、严歌苓の作品は各作品に類似性を全く感じず、テーマも描く人物も様々で、"飽きる"ことが全くありません。

私は《妈阁是座城》を読む予定です。賭博をテーマにした作品のようです。


参考までに私がこれまでに読んだ作品の一覧と簡単な内容紹介を以下に書きましたので、よろしければ参考にしてください(順不同です)。
これ以外にもまだまだありますので、他の作品も調べてみて下さいね!




《赴宴者》
難易度:★★☆☆☆
主人公は男性。生活のために記者と偽ってホテルで行われる宴会に潜り込んで生活費を稼いでいた主人公は、社会の片隅にいる人達の話を耳にするうちに本当に記事を書くようになります。社会問題を反映した作品で、严歌苓第一作目で彼女のファンになりました。

《陆犯焉识》
難易度:★★★★
妻の夫に対する変わらぬ愛情が描かれた作品。妻・冯婉喻の愛から受けた衝撃は未だ収まりません。「妻への家路」という邦題で映画化されていますね。映画は小説の最後の数十ページを描いたものとのことで、映画を見ていない私が言うのもなんですが、全体を知っていただきたいです!! 私の中で冯婉喻は《活着》の家珍とダブります。


【読んだ方に聞いてみたいこと】:最も印象に残ったシーンはどこですか?私は2つありました。


《第九个寡妇》
難易度:★★★★★
严歌苓の作品で最も難しく苦労した作品。でも読了後、読んで良かった!最後まで頑張って良かった!と思えた作品でした。中国の近現代史を理解されている方には読みやすいと思います。私は背景知識が足りずに苦労しました。あの時代に世間の常識にとらわれずに自分が正しいと思うことをやり遂げた主人公・王葡萄の物語です。

《一个女人的史诗》
難易度:★★★☆
30年間、一人の男性を思い続けた女性の話。夫に大事にされず、女の影が絶えない夫に嫉妬しながらも、夫への愛情は変わることのない主人公が、次第に愛しくて仕方なくなりました。「愛する人には愛されず、愛していない人に愛される」ことが存分に描かれています。

《寄居者》
難易度:★★☆☆☆
1930年代、中国へ逃げてきたユダヤ人青年・彼得に恋をした主人公・May。ホロコーストの実行が迫る中、彼がアメリカへ逃げられるよう、Mayは彼にそっくりな米国人青年を利用して、彼得を助けようとします。文章は読みやすいです。最後の結末は今読み返しても鳥肌が立ちます。去年、映画化されたようですね。

《小姨多鹤》
難易度:★★★☆
戦後、日本の開拓団が逃げる過程である中国人に助けられた多鶴は、その家で暮らすことになりますが、その家に住む若い夫婦の妻は、子どもを産むことができないため、多鶴が代わりに子どもを産むことになります。次第に中国語を覚え、生活に慣れていく多鶴ですが、彼女の"日本人"という身分が後に厄介な問題となって一家にのしかかっていきます。

【読んだ方に聞いてみたいこと】:最も印象に残ったシーンはどこですか?

《床畔》
難易度:★☆☆☆☆
植物状態だと誤診された男性を熱心に看護する女性の話。誤診なわけがない、と彼女の話に耳を傾けようとしない周囲の反応に憤りを感じました。世の中の悲しい事件を耳にする度に感じる、胸が締め付けられる感覚が読書中ずっとあり読んでいて辛かったのも事実。でも読んで良かったと思っています。

《老师好美》
難易度:★☆☆☆☆
严歌苓の作品の中では異色の印象を受ける作品でした。担任教師に恋をする男子高校生と女教師が登場人物。三角関係の末に起きた殺人事件の事件前・事件後が詳細に描かれていて、最後まで一気に読めました。 (kindleで読んだので写真にはありません)。

【読んだ方に聞いてみたいこと】:
①結末について(刘畅)どう思われましたか?(またはこういう終わり方はどう思いますか!?)

②女教師・丁佳心についてどんな印象を受けますか?


ちょっと早いですが、
10月の原書会は「严歌苓を熱く語る中国語原書会」にしたいと思います!
(9月はママ原書会と通常原書会を準備中♪)

以前の記事で書いていた時はもう少し先になると思ってましたが、秋に実現できそうです!

オンラインとリアル原書会では、私は異なる作品を紹介したいなあと思っていますが、同じでも構いませんので、ご参加いただけると嬉しいです。日時が決まりましたらまたご案内します。


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