中国語原書

上海の書店で買ってきた原書 その①



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運命を感じたのはこの本です。
本好きの作者が、自分が読んだ本についてつづった読書感想文。

ストーリーよりも、感じたことに重点が置かれて書かれているので
とても読みやすいのです。

本の中には本好きにたまらない写真が。
これは原書会にいらっしゃる方にシェアします!


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李克強総理推薦!の文字に足を止めました。
銀行を舞台にしたお話で、Amazonの「分厚いけどぐいぐい進む」とのコメントに購入決定です。

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人工知能の成功者が伝授するチャンスのつかみ方とは?
中国企業家がAIとビッグデータについてどんな未来を予測しているのか興味が湧きました。

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“会社から帰宅したら、部屋が荒らされていた。空き巣は一体誰なのか?
指紋、毛髪から採取したDNAの鑑定結果は、なんと自分!”
中はとっても読みやすそうな平易な文体でした。期待大!

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前回北京の書店で見かけてから、気になっていた香港で評価の高い作家。
新しい作家との出会いを求めて買いました。

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他人の悩みや秘密がわかる少年のお話。
フランス全体が感動に包まれたとのキャッチフレーズに心を動かされました。
一体どんな感動が待っているのだろうと思うと今から楽しみ。



上海の書店で買ってきた原書 ~序章~

上海に行ってきました!

6年ぶりの上海。
書店が増え、カフェも増え、
読書環境が随分と整った印象を受けました。

複数の書店へ足を運びましたが、
今回は書店をご紹介する前に、買ってきた原書を簡単にご紹介したいと思います。

おおげさですが、運命を感じるような本との出会いもありました。
常にバッグに忍ばせて、折に触れて読み返したくなるような本。

次の記事から、何故これらの本を買うことにしたのか、
複数回に分けて各作品を1,2行でご紹介していきます。

紙の本をドーンとたくさん買っていますが、実はkindleよりも紙が好きとわかったからなのです。
今回は“本命”はすべて紙の本を買い、あとで買えば良かったと後悔したものなどは、kindleで購入しました。


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第12回中国語原書会・開催報告!

報告が遅くなりましたm(__)m
11月13日に第12回中国語原書会を開催しました。

参加者は私を含め7名。今回はなんと遠方からもお申込みいただきました。
それでは、簡単ですが、みなさんのご紹介された本を見てまいりましょう。

お1人目はiraさん。前回に引き続き2回目のご参加です。

iraさんが選ばれたのは魯迅の絵本。《从百草园到三味书屋》
タイトル、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
私もタイトルだけ知っていました(^^;)

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買った時は包装で中を覗けなかったのですが、魯迅だからではなく(!)、絵に惹かれて購入。この絵本の絵を描いている方をもともとご存知だったようです。

文は少なく、お母さんが子どもに読み聞かせるもの。聞きなれない植物や虫の名前も、絵をみながらイメージできるとのことでした。5歳くらいの子どもを対象とした文章にしては、難しい単語もあるようです。魯迅を知りたい、絵で理解を補いたい場合におすすめですね。

文章に登場した虫などが絵の中にこっそり隠れるように描かれているのが味わい深いです。
読む度に発見がありそうな本ですね。


2人目は初参加のushikoさん
色々なジャンルの本を4冊持ってきてくださいました。

1冊目はミステリー作家・雷米の新作、《殉罪者》。

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雷米は私が最近はまっている作家さんです。シリーズものの《心里罪》を読んだ方はおわかりだと思いますが、事件の設定・描写が猟奇的なものが多い作品です。《殉罪者》は伏線がもっと貼られていてストーリーは深く、また前作同様、グロテスクであるとのこと。苦手な人にとっては読むのが辛い作家さんかもしれません。

前作同様、犯人はわかるようになっているけれども、そこからまた展開していくとか。気になります!

2冊目は《三体》で有名な刘慈欣の《2018》。
《三体》の前後に書かれた短編集がおさめられています。

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環境破壊などを皮肉にしているエッセイ風の作品集で、難易度はバラバラとのこと。
落ちがわかりずらい作品もあったけれど、「面白かった」とお勧めされていました。
三体は面白いかったですが、私は途中苦戦したり、寝てしまったりしたので、短編集なら難しい用語が出てきても、長編よりも頑張れそうだと思いました。

そしてushikoさんの一押しはこれ!
刘震云の《我不是潘金莲》。

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字幕翻訳の水野先生が訳されると聞いて、それなら面白いに違いない!と読まれました。
余華の作品のように破天荒な主人公に周囲のまじめな人が翻弄されるお話。ちなみ主人公は女性です。

文章は簡単で、勢いよく読書できるそう。
面白くて、笑っちゃうお話。後味は悪くないそうですよ。
映画化もされていますね!

4冊目は苏童の《离婚指南》。

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それぞれ時代の異なる3編の短編が入っています。
3編目の作品が映画化されており、映画が印象的だったので読まれました。
一番良かったのはやはり3編目の作品とのこと。

3編目はおめかけがたくさんでてくるお話。
私は離婚をテーマにした1篇目が結構気になりました。

3人目はfukoさん。fukoさんも前回に引き続き2回目のご参加です。

前回の原書会後に再チャレンジしてみた《看见》は難しかったため、
神保町でこちらを本を選ばれました。

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江戸時代を舞台とした妖怪ファンタジーを書いた《孤者异》。
原作は日本語で、作者は畠中恵さん。
fukoさん、「しゃばけ」シリーズが大好きで、毎年新作が出るのを楽しみにされているそうです。

原作同様、中国語の翻訳版でもわかりやすい平易な文体のようです。
初めて原書を読む方にも読みやすい文体のようで、「教科書もこんな感じだったらいいのに」とおっしゃっていました。

妖怪の血を引く男の子が主人公。虚弱だけど頭が良い主人公が、妖怪の力を借りて、江戸で起きる事件やミステリーを解決していくお話です。一話ずつ話が完結する構成で、表紙の絵からは可愛らしい様子が伝わってきますね。


4人目は初参加の桃茶さん。遠方からお越しいただきました!

ご紹介いただいたのは東野圭吾さんの中国語版《假面前夜》。
購入場所は上海の虹桥空港。空港の本屋さんにも東野圭吾さんの作品は必ずありますよね。

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中国語の原書を読める自信がなく、日本の作品の翻訳版なら文化背景も理解しているので、
読みやすいと思い手に取られました。
桃茶さん、実は東野圭吾さんの作品自体が初めて。

一話ごとに完結する短編かと思いきや、最後で話がつながるという構成。
ホテルのフロントで働く女性、警察官などいくつかの人物の話が展開されて、
最後にある事件が解決する、という流れになっているようです。

本の中の、単語を丁寧に調べられているメモが最後まで一貫して継続されているのが印象的でした。


5人目はおなじみ小雨さん。

オンライン原書会の10月のテーマに関連して、台湾に関する本を読まれました。
まず1冊目は方文山の《中国风》。

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ジェイ・チョウのファンのみなさんはご存知ではないでしょうか?
ジェイ・チョウの歌詞を書かれている方文山は台湾音楽界の重鎮なのです。
小雨さんもジェイ・チョウのファンなのでこの本を選ばれました(^^)

歌詞とその解説が書かれているのですが、
小雨さんは知っている曲が多かったので、You Tubeで音楽を聞きながら
楽しみながら読み進められたそうです。

面白いのが最後に、歌詞にまつわる100問のクイズがついていること。
出典を問うものがあったり、結構難しいようですよ。

結構難しそうな印象を受ける本でしたが、好きな歌手の歌詞ということで、
小雨さん読了されました。「好きこそものの上手なれ」の力はすごいですね~。

2冊目は《父教七日》

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この本にある最初のエッセイは、台湾の林栄三文学賞を受賞しているようです。
父の死後、7日間を描いたもので、映画化され、映画も台湾で受賞しているのですね。

ネットでの口コミ、評判が結構良いですね。見たい映画に追加です。
You tubeでも見られるようです。
邦題は「父の初七日」。

ワン・リーウェン
マクザム
2015-05-29


 
小雨さん、これまでの原書会では小説をご紹介されることが多かったのですが、
オンライン原書会のおかげで、普段読まない本を読めたとおっしゃっていました。

今回、詳しくはご紹介いただきませんでしたが、
原書ファンの間で有名な《天桥上的魔术师》はやはり高評価でした。
こちらは繁体字版です。

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6人目は同じくおなじみのねずみのチュー太郎さん
3冊持参していただきました。

まず1冊目は严歌苓の《无出路咖啡馆》。

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人民解放軍で将校を務め、ベトナム戦争で記者としてルポタージュを書いていた严歌苓が、
離婚し、渡米して、文学を勉強するようになった頃の生活をつづったもの。

本を万引きしたり、マリファナを勧められたり、お金がなくて歩いて帰宅していたら強盗にあったり・・・と、小説なのでどこまで本当なの?は謎ですが、彼女のアメリカでの生活がよくわかる作品のようです。

タイトルの『出口のない喫茶店』は"マリファナを吸う"場所として3回登場するのですが、
アメリカでお金がなく、のた打ちまわる中国人の生活がよくわかるとか。

严歌苓ファン必見の本ではないでしょうか?

2冊目は《曹禺精选集》。
チュー太郎さんの好きな作家のお1人ということで、こちらの本を選ばれました。

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実はこれ、戯曲なのです。
しかも演技されることを期待されなかった1930年代の戯曲。
読んだ人がイメージしやすいように、非常に細かく書かれているそう。

主人公はホテルの部屋を借りて生活している高級娼婦。
ダンサー、ホステスともいえるようですが、普通の人からみたら自堕落な生活に見えますが、
彼女はその日その日の人生を謳歌しています。
チュー太郎さんの一押しは思い入れがあるという『日出』。感動する作品のようですよ。

口語体でストーリーが進んでいくので、普通の原書よりも読みやすそうですね。
セリフを読むだけでも勉強になるとのことでした。

3冊目は老舍の《骆驼祥子》。

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チュー太郎さんによると、
現在、放送大学で大山潔先生が戯曲「駱駝祥子」の面接授業を開講されています。
放送大学に入学していない人でも、共修生として単発で参加が可能のようです。

辞書にない発音があり、授業ではピンイン通りでない発音を先生が教えてくれるそう。
通常の中国語と全然違うようですが、
一体どんな音なのでしょう?気になります(^^)

以上、簡単ですが、みなさんのご紹介をまとめさせていただきました。

実は私は今回、当日までに少ししか読んでいくことができませんでした💦💦
主催者なのになんということ。。。

現在、読み進めていますので、年内にはご紹介できるといいのですが(._.)

次回の原書会は、1月か2月に開催したいと思っています。
次回こそは読書計画をしっかり立てて臨みたいと思います💦(教訓)

参加されたみなさん、ありがとうございました!

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中国現地の書店を見に行こう♪ 第2回の目的地は

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ようやく日程・行先が決まりました。

上海に行くことにしました。

北京で前回行けなかった書店も気になったのですが、
北京は寒そうなので、少しでも暖かい南へ。

今回は訪れる書店をほぼ決めてあります。
ホテルもアクセスを研究して決めました。

快く「行っておいでよ」と送り出してくれる夫に感謝です。。。

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思春期の男子の頭の中がわかる(え、わかりたくない?)120冊目《十八岁给我一个姑娘》

冯唐について知ったのは、偶然見たインタビュー動画がきっかけでした。

インタビューの中で、彼は初期の作品で北京三部作と呼ばれる《万物生长》,《十八岁给我一个姑娘》,《北京,北京》について、これまでに中国に存在した青春について書いた小説で自分の作品より優れたものはない、と話していました。

特に印象に残っていたのは、冯唐の《不二》という作品についてインタビューの中での紹介。
はばかることのない性描写で溢れた作品であるとのこと。"性"を前面に出した作品を特徴とすることから、物議を醸す作家であることがうかがえました。

語っている言葉は自信で溢れているのに、映像ではどこか親しみやすい印象。映像を通して見た冯唐に私は好感を抱きました。その時の印象がずっと残っていたので、前回中国の書店へ行った時、彼の作品が平積みされているのを見て、ああ、あの時の作家さんだと思いだしたのです。

冯唐は華々しい肩書きを持つ異色の作家。
MBAホルダー、医学博士、マッキンゼー共同経営者、玉石愛好家・・・


《十八岁给我一个姑娘》は北京三部作の1作品。
主人公の秋水のモデルは冯唐なのだろうと思います。

上記の肩書きからは想像できない下ネタの数々・・・何故?と思っていたら、
この作品を書いたのは、最初に"暴力"と"欲望"に接した時の気持ちを覚えているうちに残しておきたかったからだと振り返っています。

思春期の男子が頭の中で考えていることが(おそらく)存分に文字にされている、
男性ホルモンをそのまま作品にしたような小説なのです。
朱裳という美人クラスメートに恋い焦がれる男子たちの妄想の描写が続いたかと思いきや、
古人の詩がぽんぽん登場したり。中国語は結構難しいと思います。作者の文学に対する造詣の深さがうかがえる作品でした。

彼がこれまでの中国の他の作品にはなく、自分の作品にはあると自負するものは2つ。
それは、
1.中身のない内容である(!)
2.青春をテーマにしたものでこれほど長い小説はない(三部作なので)

確かに、内容はありません!
これほど内容のない作品は今まであったでしょうか。。。

私はインタビュー動画で冯唐に好感を持ち、どんな作家さんか理解したい、という思いが前提にあったので読み終えることができました。予備知識なくいきなりこの本を読んだら、好き嫌いが分かれると思います。正直なところ、作品の良しあし、好き嫌いはよくわかりませんでした。でも、人気の理由を探りたいので、引き続き注目していきたい作家さんなのは確かです。



除了作家,冯唐还有多种身份。麦肯锡合伙人,医学博士,MBA,玉石爱好者。光这些足够让人觉得他是与众不同的作家。

之所以我这次选择他的作品,是因为以前看过他接受采访时的视频。画面上的他,让人觉得平易近人,没那么自负,然而从他嘴里说出来的语言却多么充满自信,使我对他产生了兴趣。

《十八岁给我一个姑娘》讲的是一位叫秋水的少年对一位冰清玉洁的姑娘的迷恋式感情。整个故事都充满了男性荷尔蒙的描述。秋水非常喜欢朱裳。很早就下定决心永远要耗在她身边。朱裳在他那儿是很出名的姑娘。学校天天来不同的帅哥接朱裳回家。朱裳可能被男生追惯了,既对周围的男生,也对自己的艳丽毫无感觉。在整个描述中,我不知道朱裳到底哪里好。都是通过秋水对朱裳的痴情想象到朱裳的美丽。与秋水的痴情和妄想相比,朱裳给我的印象有点冷淡,无聊。因此,随着故事的进展,我越来越想知道朱裳长得到底是什么样子。

这本书其实没什么内容的。他只想一五一十地记录下来自己当年脑子里藏着的东西。青春时期的少年们所做的富有荷尔蒙的行为,看起来非常可笑。里面写的都是这种东西。我没能明白冯唐通过这本书到底想传达什么。对这些内容反感的人也许会认为冯唐的文字很让人摸不透。其实,对其中的几篇文章,我也有这种感觉。

看完这本书归功于我对他浓厚的兴趣。想更多地了解这个人的想法一直支撑着我看下去。

听说,冯唐与古代文学的相遇是七岁的时候。文字的魅力牢牢地吸引了他。从此,他开始大量的阅读。也许他的自信来自于长达20多年的大量的阅读经历。《十八岁给我一个姑娘》可谓是男性荷尔蒙变成文字的作品。虽然如此,这没有掩盖冯唐对文学造诣之深。

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《十八岁给我一个姑娘》
冯唐 著
字数 151千字
读书期间:2016/9 中旬- 10/1
写作时间:1小时
面白度:★★☆☆☆
病みつき度:★★☆☆☆
難易度:★★★☆☆
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kindleに彼の小説はまだ4冊あります(^^;)

第11回中国語原書会・開催報告!

すっかり涼しくなりましたね。
気がつけばもう10月!時が過ぎるのはなんて早いのでしょう。

本日、第11回中国語原書会を飯田橋で開催しました。
参加者は6名。今回はみなさん女性でした。
意外な共通項もあり、主催者驚きでした。

では、早速みなさんの紹介された本を見てまいりましょう。

★mangoさん(3回目のご参加)

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《黄小厨的美好日常》
料理好きな俳優が書かれたこの本は、レシピ本というよりも、レシピに込められた思いを書いたエッセイ集。

江蘇省・湖南省出身の両親を持つ著者は、6歳の時に北京へ行きます。江蘇省、湖南省、北京の料理が融合したレシピと共に、自身にまつわるエピソードが掲載されているそう。レシピは計42個。成功率99%の数字に中華料理にチャレンジしたくなる方もいるのではないでしょうか。料理好きなmangoさんならではのご推薦です。

レシピの紹介にはこんな可愛いイラストが。

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2冊目は《只要好好过日子》。
この本を選ばれたのは、台湾誠品書店の2015年TOP3にランクインしていたからだそうです。

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人間関係、恋人、夢、人生等について書いたエッセイ。人が考えていること、悩んでいること、どう生きていくかなど、国が違っても感じることは同じなのだと感じられたそうです。最後に出てくる「自分のために自分の人生を生きましょう」という言葉に「勇気をいただいた」と語られていました。原書の読書を通じて、自分の人生観が影響を受けること、ありますよね!

文体は語りかける口調で成語が少なく読みやすいようです。


★K.Yさん(初参加)
K.Yさんが持参されたのは、韩寒の《1988 我想和这个世界谈谈》。

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妊娠中の売春婦・ナナと主人公が1週間ほど旅するお話。1988とは主人公が乗る車の名前のこと。

1988は以前、ラジオ講座で取り上げられていましたね。講座では冒頭のみだったので、「続きが気になる」ということで読まれたK.Yさん。「構成が村上春樹に似ている」との印象を持たれたそうですが、これについては賛否両論あるよう。この作品の特徴は、一つのストーリーに回想シーンがたくさんはさまっていて、一つの時間軸だけで物語を構成していないところ。

今までは短編小説しか読まれたことがなかったというK.Yさん。今回の原書会のために長編小説にチャレンジしてくださいました。韩寒の他の作品も読んでみたいとおっしゃっていました。是非感想をお聞かせください^^

★Y.Tさん(初参加)。
Y.Tさん、実はオブザーバー希望でしたが、枠が埋まっていたため、原書読書にチャレンジしてくださいました!

Y.Tさんが読まれたのは查斯特菲尔德爵士の《一生的忠告 一位外交家爸爸给孩子的信》。

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この本は200年以上前にある外交官が子ども宛に書かれた手紙を本にしたもの。

親が子どもに言う一見普通のことが書かれているのですが、Y.Tさんご自身が年齢を重ねた今読んでみたところ、言葉の重みを感じるのだそうです。一つ一つの言葉が響いてきて、何度も読み返したくなる本とのこと。

人間関係につまづいた時の対処法や10代のうちに勉強しておくことの大切さなど、格言ぽい内容ですが、書かれている中国語は普段の会話でも応用できるものが多いようです。勉強のため、親として読んでおきたい1冊です(私)。


★まつばっくりいさん(初参加)

まつばっくりいさんは3冊持ってきてくださいました。
まず1冊目は毕飞宇の《青衣》。

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この本には前回の原書会で小雨さんが紹介された小説・玉米も入っています。

まつばっくりいさんの毕飞宇に対する印象は、「女性の悲しさを書く人」。
《青衣》の舞台は京劇の劇団。もめごとで劇団を去った女性は転職し先生になります。彼女のファンだった男性がその後社長となり、彼女に再デビューの話を持ち掛けます。再起を目指して頑張るものの、自身の身体、声の衰えに直面する青衣。その後の展開は読んでからのお楽しみにしておきましょう。

この小説はドラマ化されていて、冯小刚の妻・徐帆が青衣を演じているようです。京劇好きな方におすすめですね。

2冊目の《一个一个人》には参加者一同驚きでした!!

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こんな仕掛けの施された本は初めて見ました!本に仕掛けって一体何よ?と思いますよね。

年季の入った本だと思われるかもしれませんが、買ってから時間が経っているわけではありません。古ぼけていたり、シミがあるように見えるよう、あえてデザインされているのです。外側だけでなく、中のページのいたるところにも。

こんな感じに↓
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デザインに凝ったためか、通常より高めの50元ほどのお値段だそうです。
欲しい~~!と思うのは私だけではないです、きっと。

内容は、南京の新聞社に勤めるコラムニストのエッセイをまとめたもの。
すべてのエッセイが「一个」で始まっています。「一个・・・・的人」という風に。
友人、恋人、同僚など自分の周囲の人について書いたもので、文体は簡単とのことでした。

プレゼント用にも良さそうですねえ。すくなくとも私だったら飛び上がります(^0^)


3冊目は《灯火夜微明:京城书店岁时记》という本好きな女子高校生が北京の書店巡りをして出された本。北京の26の書店が登場します。

     

本好きな人はこの表紙で飛びついちゃうのではないでしょうか?

「読書の幅の広さが凄い」という著者。詩の評論本から日本の作品を何軒かまわってやっと見つけた!とあったり、とにかく凄い女の子。

中国版LINEの微信で公式アカウントをとって、連載したものがこの本になりました。
まつばっくりいさんが意外に感じたのが、中国の私営書店の歴史は短いということ。著者の彼女が店長さんとの話の中で、「この本屋は10年も続いた」と驚いている場面があるようです。

彼女の一押し書店は「万圣书园」。とにかく大好きな様子が伝わってくるそう。
まつばっくりいさんのお勧め書店は、page one。この写真です↓

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眺めているだけで幸せな気分になれる写真でいっぱいでした。
しかも写真には作品が掲載されているので、本の発見もあります。
これはぜひ紙で購入しましょう!

★fukoさん(初参加)

fukoさんは香港に行った際に、時間がない中立ち寄った誠品書店でジャケ買いされた本を読んできてくださいました。

1冊目は《穿越一条柏油路到古都古》

この本の舞台はブルキナファソ。台湾の医師が10か月間、西アフリカで医療支援に従事した時のことを書いた本です。



ブルキナファソのGDPは世界の10%、年収は711ドル/人、15歳以上の識字率は21.8%。

病気になり、医療費を払えない女の子のお話があります。病院で医療費を立て替えてなんとか治療したところ、退院時に女の子がわずかながらお金を持ってきて、お金を返そうとします。文化が異なり、十分な教育を受けていなくても、お金を返そうとする姿勢に感動したとおっしゃっていました。初めて読む長文の繁体字にも次第になれ、後半は患者とのエピソードがたくさん出てきて読書を楽しめたとのことでした。

2冊目は、《HONG KONG STORIES》。

香港は私にとって地理的には近いものの、接触媒体はこれまで主に映画。現代の香港人がどんなことを考えているか、実はあまり知りません。
この本は、リアルな生活が想像しづらい香港の人を理解するのにぴったりな本だと思います。

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101人の香港の人が自分のことを語っている文章が載せられています。
どこから読んでもOK。まるで「友人の近況を聞いているような楽しさがあった」とのこと。

香港=香港映画というイメージを崩すのにちょうどよさそうな本ですね。
fukoさんも「ぱらぱら読み進めるうちに面白くなってきた」と語られていました。

そしてfukoさんから原書で読書することについてこんなお言葉も。

これまで翻訳本を読むことが多かったfukoさん。翻訳本は「ワンクッションおかれていて、リアルな感じが薄れていた」と振り返ります。その上で、「本人たちが言っている言葉のまま読むことで、直接何を感じているか、何を考えているかがストレートにわかる気がする」とおっしゃっていました。このご感想、とても嬉しかったですし、心から同感しました。

★iraさん(初参加)

オブザーバーで参加されたiraさん、実は原書を持って来て下さっていました。

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池袋の知音店で購入した《杀手公司》は随分前に読まれたものだそう。
韓国ドラマの原作の中国語版です。表紙の俳優さんがわからず申し訳ないです。。。

内容を知っているドラマの本だと先の展開がわかるので読みやすいですよね。

知音はどこかで聞いたことある・・・と思い調べてみたら、既に倒産し、聞聲堂中国書店に引き継がれているとのこと。聞聲堂中国書店は先日ブログで紹介した書店でした。
池袋北口で原書を買える書店【聞声堂中文書店】

冒頭で難しく感じると挫折してしまいがちとお悩みのiraさん。ネットで口コミを確認してから買ったり、ベストセラーコーナーから選ぶ、など参加者さんからのアドバイスがありました。好きな作家が見つかると本の選び方も変わってくるかもしれませんね。没頭できる本に出会えますように!


私は冯唐の《十八岁给我一个姑娘》を紹介しました。

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この本、原書会がなかったら読み終えられませんでした。
原書会が読書のペースメーカーになることを改めて実感。
今後はもっと頻繁に開催してもいいかもしれません(笑)

本の内容については次の記事でご紹介しますね。


参加された方たちから「原書会があったら読み終えられました!」とのお言葉があり、とても嬉しかったです。

原書会を利用して、原書読書を習慣にしていただけたらとっても嬉しいです。
趣味でも、語学力アップのためでも、仕事のためでも、原書を読む人の数が増えていくと嬉しいですね。

今回は初参加の方がたくさんで、ちょっと緊張していましたが、
みなさん積極的に発言して盛り上げて下さいました。
ご参加されたみなさん、改めてありがとうございました。

次回は严歌苓の作品をテーマにした原書会を開催する予定です。
近日中にまずメルマガで事前アナウンスしますので、ご興味ある方はご登録お願いいたします。

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明日は原書会

9月は読書ペースがすっかり落ちていましたが、
迫り来る原書会が結構なプレッシャーになり、なんとか読了することができました。

原書会は読書のペースメーカーになりますね~(^^)

新しい作家発掘を兼ねて選んだのは冯唐の本。

さてさてどんな内容だったでしょうか?

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kindleで読みました。

❝書物を通じて相互理解を深めよう❞ 第5回「日中出版界友好交流会」に参加しました。

日中両国の出版関係者が集う交流会に参加してきました。

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初めて衆議院議員会館へ。


この会の主旨は、書物を通じた日中友好を促進すること。

本当に素晴らしい試みであり、第5回の今回に至るまで、この交流会を知らなかったことを恥じました。


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パネルディスカッションの様子。
写真一番右は、日中友好のために出版事業に携わる日本僑報社の段躍中さん。


私が原書を読み始めた頃は、「中国語力をもっとアップさせたい!!」の一心で、ベクトルが自分に向いた読書でした。その後、書物を通じて自分の知らなかった中国が目の前に広がってきた頃から、原書を読む動機に少しずつ変化が生じてきました。

恥ずかしながら、原書を通じて、中国にかつて文革、紅衛兵など動乱の時代があったことを知った私は、文学を通じて、相手の国に臨場感を持って近づき、理解を深めることができることを驚きとともに知ったのです。

また、結婚に対する価値観、考え方の違い、子どもを産んでからの生活様式、大学受験の重圧の差にも日中間に相違があることを、小説を通じて知りました。そのため、中国人から「何故、待機児童の問題はそんなに深刻なの?祖父母が見ればいいんじゃないの?」という問いが発せられる背景もすぐに理解できます。


会では、書物を通じて相手の国の文化、社会習慣、政治状況を知り、相互理解を深める大切さが、異なる発言者の口から発せられました。この交流会のメッセージはこれに尽きると思います。

宮本雄二さんの情熱のこもったお話が印象的でした。


より正確な相互理解は、文化交流から生まれる。

文化交流とは、相手の歴史と文化を学び、尊敬の念を持つこと。
互いに相手を理解するための手段として翻訳は不可欠。
しかし、翻訳には自国・相手の国に対する深い理解が必要である故に、簡単ではない。

日中の出版界(ビジネス界)が協力して、利益が拡大するような流れを作り、
その結果、両国の交流が広がる形を作りだしてほしい。

これが理想的な交流方法である、

との訴えになるほどなあと思いながら聴いていました。


興味深かったのは、パネルディスカッションでの以下の発言。

・東京国際ブックフェアに来る中国の作家は少ないが、アメリカのブックフェアでは中国人作家が多い。

・海外作品の中で日本語に翻訳されたものが最も多い。

・チェコ、ポーランドなどのノーベル賞受賞作品は英語に翻訳されるはるか以前にいちはやく日本語に翻訳されている。

・日本は世界最大の翻訳大国である(!)
・中国の作品が、日本を介して世界へ広がっていくことが意外に知られていない。つまり、日本は世界へ文学を紹介する重要な経路になっている。



来年開催される東京国際ブックフェアでは、中国が特別招待国となるようです。

「日中出版界友好交流会」は会を重ねる毎に参加人数・規模ともに拡大しているとのことですが、確かに会場には100人を超えると思われる人がいました。

この流れに乗じて、日中の出版交流がますます盛んになればいいですね。
日本の作品が中国で広まるだけでなく、中国の文学が日本に普及していく流れになることを祈ります。

文学の翻訳とは違った路線になりますが、私も国内の原書人口を増やすために自分にできることをやっていきたいと決意を新たにしました。


9/23から25までビッグサイトで開催されている東京国際ブックフェアに足を運びたかったのですが、今回は仕事・用事で行くことができませんでした。来年こそは行ってみたいです。

ブックフェア、日本人作家の講演だけでなく、各国の作家も招いたらどうでしょう?
今後の展開に期待大ですね。


保育園の迎えの関係で中座せざるを得ず、パネルディスカッションを最後まで聴けなかったのが残念でした。本記事について、私の理解が間違っているところがあるかもしれませんが、その場合はご容赦くださいm(__)m


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池袋北口で原書を買える書店【聞声堂中文書店】

池袋の北口にある中国語専門書店へ行ってきました。

池袋に行く機会の多い方にとって、神保町にわざわざ行くよりも、格段にアクセスの良い書店になると思います。

まず行き方から。

北口を出るとおかしのまちおかが見えるので、そこを左折。
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↑のDVD鑑賞という黒い看板下で足を止めます。

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ちょっとおののいてしまいますが💦、ここを入って2階へ行くと・・・
(階段・エレベーター両方あります)。

がらりと雰囲気が変わって、中国語書店が!

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聞聲堂中文書店です。

店内の様子。

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空間が十分にあって、広々した印象を受けます。

入って左手前がこちら。お勧めがずら~り!
8月のオンライン原書会の課題本《草房子》はこの棚で見つけました。

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一部クローズアップしてみます。

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上段左から二冊目に、以前原書会でチュー太郎さんが紹介されていた《在痛苦的世界中尽力而为》がありました。下から一段目・右から3冊目には严歌苓の《床畔》もあります。

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これは入口入って右側の棚。《我们仨》を読みたくなったらここに買いに来ようと思います。


店内真ん中の棚。

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严歌苓の《老师好美》も見つけました。

店員さんお勧めの本。
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店内は本当は撮影禁止なのですが、訪問の主旨を伝えたところOKをいただきました。

ビジネス書、小説は神保町よりも充実している印象を受けます。

日本人と中国人の来客比率は同じくらいで、多いときは1時間に10人程日本人が来るとか。
やっぱり池袋という好立地は強いですね。

以下、お店情報をHPより転記します(青字)。
夜10時まで営業しているので、仕事帰りに立ち寄ることもできますね!

聞声堂中文書店 
〒171-0021 
東京都豊島区西池袋1-28-6 大和産業ビル2F
TEL:03-3590-0688 
E-mail: sd@wensheng.jp
営業時間:10:00-22:00(年中無休)


※お店へ行ったのは8月上旬なので、陳列されている本は当時と若干異なると思います。


書店で定期的な読書会も開催されているようですが、
詳しいことは微信で情報発信しているとのことでした。
このリンクだと確かに開催日時は不明確・・・
http://www.wensheng.jp/chengrendushuhui/dushuhui1.html


池袋へ行く機会がありましたら、ぜひ立ち寄ってみてください(^^)


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【オンライン原書会】今月は”严歌苓の作品を読んでみよう” #中国語原書会

9月になっておりました!💦💦

今月の課題本は、严歌苓の作品です。

以前ご紹介した記事に、各作品の難易度を追記しました。
私の感覚、严歌苓の他の作品との比較による難易度です。
各自感じ方は異なると思いますが、参考になれば幸いです。

9月に严歌苓の作品を読んでみませんか? オンライン原書会・第3回のお題  #中国語原書会

”難しい”と思われがちな严歌苓ですが、読む作品が多くなるにつれ、そうではないことがわかりました。”難しい”というより、難易度がこんなに異なる作家は珍しいです。本当にバラバラなのです!

難しく感じる理由の一つに、時代背景の理解が求められることがあります。
一方で、簡単に感じた作品は、時代背景の理解を求められないものでした。

易しくて、ストーリーに入り込めるものとして、私がおすすめするのは下記の作品。

《床畔》
《老师好美》
《寄居者》

これまで読んだどの作品も私は満足できました。
以下は難しかったけど読み終えて、出会えて良かったと思える作品でした。

《陆犯焉识》
《第九个寡妇》

ねずみのチュー太郎さんお勧めの3作品のうち、2作品が私と一緒!
チュー太郎さんのご紹介もご覧ください。


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